スマートシティコンサルタントとは
社会問題を解決する近未来型の街づくりを提案する
スマートシティコンサルタントとは、ICTを活用した街づくりに関わる戦略立案やコンサルティングなどを行う仕事です。そもそもスマートシティとは、ICTをはじめとする最先端のIT技術を用いて、基礎インフラや生活インフラを構築し、環境に配慮しながらも効率的でより便利な生活を目指す都市のことを指します。街のデータを一つのプラットフォームに集約し、行政や医療、教育、防災などに役立ててワンストップのサービスが受けられるようになったり、VRや5G、ドローンなどの技術を使って生活の質を向上させたりと、様々な取り組みがなされています。インターネットで街全体がつながっており、ドローンで荷物が運ばれ、自動運転の車が縦横無尽に走っているといったような、近未来的な街を目指すと言えばイメージしやすいかもしれません。エネルギー問題や人口問題を解決しながら、人々の生活をより豊かなものとするために、スマートシティコンサルタントは最先端技術を駆使した街づくりを提案するのです。
どんな仕事?
自治体や企業に都市開発のコンサルティングを行う仕事
スマートシティコンサルタントは、最新のIoTやAI技術を活用したスマートシティの戦略立案や新規事業開発を行います。提携する省庁や自治体、企業に対し、スマートシティに向けた都市開発や都市計画、建築設計など、幅広い視点からコンサルティングします。なお、その際に重要になるのが「利用者目線」と「ビジネス視点」を持つことです。スマートシティは居住者や利用者の幸福や利便性、生産性、安全性を向上させるためのもので、開発自体が目的になってはいけません。一方で、スマートシティがビジネスとして成立しなければ体制は維持できないので、収益性なども考慮した提案が求められます。スマートシティは生まれて間もない概念であり、近年開発が着手され始めている新しい分野です。そのため、スマートシティコンサルタントに求められる役割は幅広く、新たな技術を取り入れた街づくりを積極的に提案する姿勢が必要になります。
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POINT01
新規事業開発
最先端のIoTやAI技術を活用したスマートシティ分野の新規事業を開発します。街の全データを集約するプラットフォームや街の電力を最適にコントロールするシステムなど、多角的な視点で事業を検討します。
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POINT02
マーケットリサーチ
スマートシティを開発するに際して必要になるマーケットリサーチを行います。日本国内や海外で先行実施されている事例の調査や、最新技術の調査なども含まれます。
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POINT03
提携先開拓
スマートシティ開発の提携先となる自治体や企業を開拓し、ソリューションを提案します。
どうすればなれる?
スマートシティコンサルタントへの道のり
スマートシティコンサルタントになるために必要な資格はありませんが、最先端のIT技術や街づくりに関する専門知識が求められます。そのため、情報系や建築系の専門学校・大学で知識を身につけ、コンサルティングファームや不動産会社、スマートシティを推進する企業などに就職するのが近道と言えるでしょう。スマートシティではシステムアーキテクチャやネットワーク、データベース、AI、IoTなどITに関する幅広い知識が求められるため、これらを総合的に習得することを目指すことをおすすめします。
求められる知識・資質を磨く
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POINT01
論理的思考力
コンサルタントは、クライアントの課題に対して適切なソリューションや企画を提案しなければなりません。そのため、課題を的確に捉えて戦略的な解決策を導くための論理的思考力が求められます。
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POINT02
発想力
スマートシティは新しい分野で、未来の街づくりに携わる仕事とも言えます。「こんなシステムがあれば暮らしがもっと便利になる」「この技術をこのように活用できるのではないか」といった柔軟な発想力が必要です。
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POINT03
コミュニケーション能力
スマートシティコンサルタントは省庁や自治体、企業などのクライアントはもちろんのこと、最先端のIT技術を提供するIT企業や街づくりに関わるデベロッパーやゼネコンなどとも連携して仕事を進めます。そのため、高いコミュニケーション能力が求められます。
必要な資格・試験情報
スマートシティコンサルタントになるために必要な資格はありません。しかし、IT技術に関わる高いレベルの専門知識が求められるので、「ネットワークスペシャリスト」「データベーススペシャリスト試験」「G検定」などの資格取得を目指すとよいでしょう。また、日進月歩で進化するIT技術の最新情報を収集し、スマートシティに活用できないかアイディアを考える習慣も必要不可欠です。そのためにも日本国内のみならず海外の最新情報にも触れて、アイデアの引き出しを増やしておくようにしましょう。