シナリオライターとは
人々の魅了し感動させる、映像作品の台本を作る仕事
シナリオライターとは、映画や演劇、ドラマなどの台本を作る仕事です。台本には、物語だけでなく、登場人物一人ひとりの細かい設定や台詞、動きなどが記されており、演者はその内容に従ってアクションをします。いわば、作品そのものの出来を決める、最も重要なピースと言っても過言ではありません。近年では、小説や漫画などの作品を原作として、映画やドラマが作られるケースも多く、その場合は原作の良さは活かしつつ、シナリオライターの力によって、より映像作品として魅力が出る台本に仕上げていきます。また一般的な映像作品だけでなく、ゲームの台本を作るゲームシナリオライターという仕事も増えてきており、シナリオライターはさまざまなジャンルでの活躍が期待できます。
どんな仕事?
見る人に「面白い」と思ってもらえる台本を作る
シナリオライターに与えられた使命は、見た人に「面白い」と思ってもらえる台本を作ることです。小説のようにすべての感情や情景を言葉で表すものではないからこそ、セリフだけでなく、演技の仕方やカット割りなどにも意識を向ける必要があり、単なる文章力以上を求められる仕事と言えるでしょう。またセリフ一つとっても、「はい」と返答するのか「そうです」と返答するのかで、受け手の印象は変わるもの。そうした一字一句を大切にしながら、作品の魅力をより多くの人に届けていかなければなりません。自分が手掛けたシナリオが作品として世に送り出され、多くの人の心を動かし、反応してもらえることは大きな喜びと達成感を味わえる仕事と言えるでしょう。
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POINT01
企画
出された企画書に沿ってシナリオを作成していくことが多いシナリオライターですが、案件によってはシナリオライター自ら企画をしたり、企画段階から参加して、作品の方向性を煮詰めていったりする場合もあります。
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POINT02
打合せ
打ち合わせを通じてプロデューサーやスポンサー、原作者などの意向や想いを確認し、ストーリーやセリフを考えていきます。
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POINT03
取材・脚本作成
企画によっては、専門的な知識や情報が作品の出来を左右するケースもあります。特に医師や弁護士などの専門職が主役の作品や、時代劇のような歴史を扱う作品などは、いかにその世界をリアルに表現できるかが重要。場合によっては取材をして、その世界に生きる人にしかわからない情報を脚本に盛り込んでいきます。脚本は、基本的には柱書き、ト書き、セリフの3つで構成されるため、それぞれをバランスよく配置し、映像作品としてより魅力的なものに仕上がるよう書き上げていきます。
どうすればなれる?
シナリオライターへの道のり
シナリオライターになるために必須の資格はありませんが、さまざまな専門知識が問われる仕事であるため、その道について学べる専門学校や大学でスキルを磨くのが一般的です。それ以外にも、シナリオライター養成スクールに通ったり、自ら制作会社に脚本を持ち込んだりして、キャリアを拓いていく方法もあります。一般的な就職活動によってシナリオライターとして入社できる会社は決して多くはありませんので、日々スキルを磨きつつ、少しでもチャンスがあれば積極的にアプローチしていく行動力が求められます。
求められる知識・資質を磨く
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POINT01
表現力
同じ意味を持った言葉であっても、言い方や「てにをは」の使い方一つで、見る側の印象は大きく変わってきます。時には、敢えて言葉を使わないことで、より強いメッセージを遺すことができる場合もあるでしょう。高い表現力で、人の心を揺さぶる脚本を作っていかなければなりません。
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POINT02
構成力
物語の面白さの大部分は、構成が占めていると言っても過言ではありません。原作があるものであっても、要素を追加したり、あるいは削ったり、映像化したからこそできる魅力付けをしていきましょう。
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POINT03
発想力
シナリオライター自身がオリジナルのストーリーを作ったり、原作では語られていないシーンや登場人物のセリフを考えたりすることもあるため、発想力も必要です。
必要な資格・試験情報
シナリオライターになるために必要な資格はありませんが、柱書きやト書きといった脚本ならではのルールや知識が求められるシーンも多いため、それらのスキルはしっかりと身に付けておきましょう。また基本的にはパソコンで脚本を書くことになるため、基本的なパソコンスキルも身に付けておいた方が良いでしょう。マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)の取得を目指すことで、基本的なパソコンスキルを身につけることが出来るでしょう。その他にも、日ごろからさまざまな作品を見て自身の発想力を磨きつつ、社会のトレンドなどにも目を配りながら、より良い作品づくりを目指してください。