メディカルデータサイエンティストとは
医療ビッグデータを解析して医療を発展させる仕事
メディカルデータサイエンティストとは、保健・医療・介護関連ビジネスにおいて、医療分野のビッグデータを分析して医療の課題を解決したり、新たな治療法を提案したりする仕事です。AIやビッグデータの解析技術の発展により、これまで蓄積されてきた医療分野の膨大なデータを扱えるようになりました。医療の質を高め、コストを削減するためにも、ビッグデータの活用は有効な手段となります。ヒトゲノム情報や医療経済、合併症の発症パターン、電子カルテ情報など、分析対象は多岐に渡ります。統計学やPython、Rをはじめとするプログラミングを駆使して医療データを分析するこの仕事は、人々の豊かな生活に寄与するやりがいと責任感を味わえることでしょう。
どんな仕事?
高度な専門知識を駆使してデータを分析する
メディカルデータサイエンティストは、統計解析やプログラミングといった専門知識を駆使して医療にまつわるビックデータを解析します。データ解析に関する知識はもちろんのこと、医療に関する高度な専門知識も駆使することとなるため、常に知識を吸収したりアップデートしたりする姿勢が求められます。メディカルデータサイエンティストが分析したデータは、今後の医療の発展や課題解決などに用いられます。ここからは、メディカルデータサイエンティストが取り扱うデータ分析の事例をいくつか紹介しましょう。
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POINT01
入院日数予測
患者情報の膨大なデータを分析することで、病気や症状、年齢などの特徴から対象者の入院日数を予測します。患者の治療や病床数の確保などに役立ちます。
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POINT02
電子カルテ分析
電子カルテのテキストデータを分析することで、対象者が患っている可能性のある病名を予測します。医師の診断の効率化や盲点となる病名診断などに役立ちます。
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POINT03
罹患予測
健康状態や年齢などのデータから、病気を罹患する可能性を予測します。対象者は健康に配慮した生活を送れるようになり、本人や社会の医療費負担軽減や健康的な生活に寄与します。
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POINT04
合併症分析
過去の合併症データや研究論文などを分析し、病気の合併症の発症パターンを分析します。治療方針の改善や対策に役立ちます。
どうすればなれる?
メディカルデータサイエンティストへの道のり
メディカルデータサイエンティストになるために必須の資格はありません。しかし、データ解析や医療に関する高度な専門知識と技術を身につける必要があります。特に、データ解析では相関分析、重回帰分析、t検定といった統計学の知識や、R、Pythonといったプログラミングやデータベースに関する知識が求められます。そのため、メディカルデータやデータ解析について学べる専門学校や大学に進学することをおすすめします。
求められる知識・資質を磨く
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POINT01
論理的思考力
医療データの分析では解析前に仮説を立てたり、分析結果のデータを客観的な観点から読み解いたりする必要があります。また、結果となるデータを論理的に考察して、医療課題の改善に結びつけることにもなります。そのため、論理的思考力を持ち仕事に取り組むことが求められます。
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POINT02
忍耐力
膨大なデータを様々な手法を駆使して分析することになるだけでなく、計算ミスも許されないため、緻密な作業を続けられる忍耐力が求められます。
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POINT03
コミュニケーション力
プロジェクトのチームメンバーや関係者とコミュニケーションをとりながら分析を進めることになるため、仕事をスムーズに進めるためのコミュニケーション力が必要になります。
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POINT04
ITスキル
データ処理やデータベースに関するIT知識も必要です。メディカルデータサイエンティストがプログラミングを行うこともあるため、RやPythonなどのプログラミング言語も習得しておきましょう。
必要な資格・試験情報
メディカルデータサイエンティストになるための必須資格はありません。しかし、「ヘルスデータサイエンティスト」「統計検定」といった資格を取得すると、データ解析に関する専門知識を有していることを客観的に証明できるため、就職で有利に働く可能性があります。データ解析に関する技術は年々進化しているため、就職後も新たな手法を勉強し続ける姿勢が求められます。また、医療に関するニュースにもアンテナを張り、現代医療の課題や人々のニーズなどをキャッチするよう心がけましょう。