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背景デザイナーとは
ゲームの背景を作りこみリアリティを表現
ゲームの世界観を表現する背景やアイテムのグラフィックを制作するのが背景デザイナーです。ゲームのストーリーやコンセプトに応じて、細部まで作りこみリアリティを表現します。また、ゲームだけでなく映画やアニメ、CMなどのCGグラフィックが活用される現場で、背景をデザインするケースもあります。ゲームの背景はキャラクターのように目立つことはないかもしれませんが、ゲームの世界観を大きく左右する重要な役割を果たします。異なる時代の空間や未来の空間を表現するなど、現実世界で目にする空間以外を表現することも多く、柔軟にイメージを広げていくことが求められます。ゲーム機の進歩によってリアリティあふれるグラフィック表現が可能になっているので、細部までこだわれる優秀な背景デザイナーの需要が高まっています。
どんな仕事?
光や影を効果的に使い自然な背景を作りこむ
背景はゲームの舞台やコンセプトを表現するための重要な存在となります。ゲームのコンセプトを正しく理解し、キャラクターやアイテムとの親和性を意識した空間デザインに仕上げることで、プレイヤーをゲームの世界に没頭させることができます。キャラクターを引き立て、ゲームの世界観を創り上げる上で背景デザイナーの役割は大きく、とてもやりがいのある仕事といえます。背景デザイナーは以下のような技法を駆使しながら背景を作り上げていきます。
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POINT01
ラフデザイン
ゲームプランナーが作成した企画書を読み込み、背景やゲームステージに関する文章を元に、具体的な背景デザインを考えていきます。他のメンバーともイメージを共有してブラッシュアップできるよう、ラフデザインとしてイメージを落とし込みます。場合によっては背景デザイナーも企画会議に参加し、リアリティあふれる背景をデザインしていくことがあります。
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POINT02
モデリング
ラフデザインに問題がなければ、CGソフトを用いて背景をモデリングしていきます。細部まで立体的に背景を作りこむことで、プレイヤーのゲームへの没入感を演出します。
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POINT03
テクスチャー
モデリングで作成したCGの背景に、テクスチャリングという技法で色をつけていきます。完成したポリゴンに画像を貼り付けることで色や質感を演出する技法で、これによってよりリアルな背景に仕上げていきます。
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POINT04
ライティング
まるで現実世界にあるかのようなリアルさを表現するために、ライティングと呼ばれる光の効果を加えていきます。朝日や夕日、室内の照明などを想定し、光の場所や強さ、当て方を調整していきます。
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POINT05
エフェクト
環境エフェクト効果と呼ばれる技法を用いることで、温かさや冷たさ、太陽の明るさ、暗闇の怪しさなどを演出します。天気や季節、太陽の動きなどの変化を加えることで、ゲームの世界に自然さが生まれます。
どうすればなれる?
背景デザイナーへの道のり
背景デザイナーはCG技術やデッサン力といった専門知識が求められます。ゲーム制作会社などのプロの現場で使用されるCGソフトを使いこなせる必要があるため、そういったソフトの使い方を教えてもらえるデザイン系専門学校や美術大学でスキルを習得するとよいでしょう。リアルな背景を作り上げるために、3Dや2Dによる空間構成力も鍛えていきます。その後、ゲーム制作会社などに就職して現場でキャリアを積み上げていきます。背景デザイナーとして経験を重ね、キャラクターデザイナーやアートディレクターなどのキャリアパスを目指すことも可能です。
求められる知識・資質を磨く
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POINT01
空間構成力
ゲームの背景は絵画のように一面的なものではなく、キャラクターが動き回る中で様々な角度から見られるものです。地形や建物、大自然などを多角的かつ立体的に捉え、違和感のない空間に仕上げるための空間構成力が求められます。物体の位置や方向、大きさ、形状、間隔などの三次元空間での状態を正確に捉え、表現する力が必要です。
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POINT02
デッサン力
背景を作りこむデッサン力が求められます。戦国時代や1000年先の未来、そして現代など、ゲームでは様々な時代がステージになります。現代には存在しない空間を具体的にイメージし表現したり、光や影、質感を表現してリアルさを表現したりするためのデッサン力を磨く必要があります。
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POINT03
コミュニケーション力
プランナーやグラフィックデザイナー、シナリオライターなど様々な職種の人と協力してゲームを制作していきます。相手の意図を正確にくみ取り、背景の表現に落とし込んでいくためのコミュニケーション能力が重要になります。
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POINT04
忍耐力
背景デザインでは細かい作業が膨大に発生し、納期内に最高の作品を仕上げる必要があります。そのため、コツコツと作業を続けていく忍耐力と体力が求められます。
必要な資格・試験情報
背景デザイナーになるために必須の資格はありませんが、Illustratorクリエイター能力認定試験やPhotoshopクリエイター能力認定試験、CGクリエイター検定などの資格取得を目指すとよいでしょう。これらの資格はグラフィック・デザイン系の職業に必要な知識を体系的に学ぶことができ、客観的に知識やスキルを証明できるので就職やキャリアアップにも有効です。また、3ds MaxやMayaなどの3DCGソフトの使い方も習得すると、背景デザイナーとしての業務に活かせるはずです。デッサン力は日々鍛え上げて、新しいツールに関する情報もピックアップすることで、時代の流れに負けない優秀なクリエイターになれるでしょう。